それじゃ見積もりできんよな。

2520億円がどうやって出てきたのか?そこが見えてこない。

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台風11号が接近して強風や大雨の日でした。こんな日なのに我がアパートのそばの住宅現場で「棟上げ」をやっていた。たぶん建売だ。だから3棟一緒に上げちゃうんだ。

それにしてもあの鳶職(とびしょくと読む、念のため)たち、雨風で滑って落ちないんだな。でもあの大きなクレーン、強風で倒れないのかな。上げる木材が揺ら揺らせんかなと見入ってしまった。こうも思った。

雨が降っていて棟を上げていいのか?

今時は木材が湿るのは「締まる」から良いというらしい。それはぼくがゼネコンの人から聞いたこととは違うな。さらに言えば、夏場は木が膨張するので、建築季節としては避けるのが常識のはず(^^;

ぼくの想像だが、今は建築需要が盛り上がる一方、人手不足が拍車をかけて、職人も機械もフル回転なのだ。だからこの現場は天候がどうあろうと「やるしかない」。工期ギリギリだからやるしかない

もうひとつ重要なことがある。現場所長がいなくなった。現場の知恵で利益を出そうというコンサルのプロジェクトをやった。岡山の某ゼネコンで10数年前のこと。その時、さんざんこう聞かされた。

これから所長もいなくなって現場が大変だよ

現場を知る所長が年を取って引退する。一方現場はコスト削減=若い人削減で、ノウハウが伝わらない。すると現場はテキトーになる。たとえば雨の日に何をするかという小さなことで知恵がなくなる。土工に掃除させるか、とび工は居眠りするのか、台風が来てもやるのか。現場を知る所長ならちゃんと差配をして、コストを抑えて品質も工期も守る。安全もおろそかにしない。

今、建築現場は極限までプレハブ化を進めている。それはコストだけでなく「所長がいなくなった」からでもある。

大きな建築物であればあるほど所長の役割はでっかい。

今問題の見積もりにももちろん影響がある。

新国立競技場の1300億円の見積もりはどうして2520億円になったのか?確かに建築費用はバブル期を超えたという。でも、見積もり専門家やCM(コンストラクションマネジメント会社)にチェックさせたのだろうか?あの巨大な2本のキールは土木工事だというから、土木屋や構造設計屋の出番だ。安藤忠雄氏は建築屋なのだ。わかりっこないのだ。

思い出してほしい。あの華麗なる国立代々木競技場は、建築屋の丹下健三、構造屋の坪井善克、設備屋の井上宇市というトリオだからできた

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まして新国立競技場の現場のコスト削減は、こういうことをした昭和の大所長でないと無理なのだ。そういう知恵がないまま積み上げたから、見積もりが倍になったのではないだろうか。

新国立競技場は歴史的な建築になるのだから、見た目だけでなく、見積もりから現場まで、人材育成こそしっかりやってほしい。なぜならそれが一番のコスト削減になるから。

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