神社に木がある秘密

熊野信仰の場として全国各地に熊野神社ありけり。その名前がつく数2,000とも3,000とも言われる。三大熊野神社のひとつの分祀が、この千葉県松戸市常盤台の熊野神社である。

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厳かに行く手を照らす参道からして気に入った。

手水を取って行くと右手にあずまやがある。掃除が行き届いている。と思えばちょうど神木を整えるお掃除タイム。すっくと立ち上がる「梛木(なぎ)」が。見上げるこちらの背筋が伸びそうだ。

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お掃除の方とこんにちはとあいさつを交わして本殿に参拝。やや興ざめがお賽銭箱である。近代的な頑丈さと素材でしつらえてあり、誠に風情がない。まあ賽銭泥棒除けだろうが、古木箱に渡しの古木の隙間からチヤリンとしたかった。それ以外は満足。

とりわけ梛木である。こうして神社の真ん中にあるのでいわれやご利益があるのだろう。石碑にも「御神木である梛の木の由来」とあった。

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この木の御利益は夫婦和合、旅や海上の安全、心願成就である。古人の参詣者は願いを込めて、梛の葉を一枚そっと懐に入れたという。お守りである。ほお。ぼくは石碑からくるりと踵を返し、すたすたと御神木に近づき、はたはたと落ちた葉を一枚いただいた。お賽銭はこの木に納めたいぜ。

梛という字にはハテ…?と思った。海の風の凪(なぎ)とはちがうのかと調べると、案の定関係がある。海上安全のお守りになってきたのはそのせいだ。昔は旅は安全じゃなかった。旅人は全国各地にある熊野神社に着くたびに、梛の葉を一枚もらったのだ。

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この木を見上げて考えた。そもそも木とはありがたいものなのだ

日を浴びて雨を吸ってすくすくと育つ。やがて木陰をつくり、雨風や日照りから人を守る。花を咲かせて実をならせ、人を楽しませる。やんちゃな子供に木登りを教える。根は優しいので、樹肌にキノコやヤドリギの寄生を許し、虫には樹液を吸わせ、挙げ句の果て、木の周りをぐるぐるする虎でバターまで作ってくれる。

神様というと目に見えず聞こえもせず触れもせずという、なんとも実体がつかめないものだ。だが木はちがう。実に具体的な神様なのである。

なぜ神社に木があるのか、今日はわかったような気がした。神主不在で御朱印は頂けなかったが、お守りの葉っぱをもらった。

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