こちらこそありがとう。

文を書くというのはそれほど孤独な作業じゃないという話。

2015年3月号のドクターズ•マガジン、『ドクターの肖像』は鳶巣賢一氏である。元静岡がんセンター病院院長、現都立駒込病院長の彼の肖像は、「泌尿器科の名医」としてよりも、「青春の長いトンネル」「そこから抜け出す一筋の光明」「患者と語り合い、患者に生気を与える医師」に重点を置いて描いた。きっとそれが響いたのだろう、編集部にこんな感謝のメールが届いた。

ドクターズマガジンを見たといって、多くのメールと手紙が届きました。それも、長い間、音信不通であったなつかしい人も含まれていました。とても、うれしい展開になりました。

本誌は発行部数が多く(5〜6万部)、全国津々浦々の医療機関に届く。多くの医師ら医療関係者が読む。多くにリーチするからこそ、氏は連絡をもらえたのだ。いやいやそれは彼自身の優しさ、人徳ゆえである。あの患者思いの姿勢があるからこそ伝わったのだと思う。

さらに、鳶巣氏の話も、もうすぐ発売の4月号の医師の話も(これも人間的でとても微笑ましい話となった)、発行元のメディカル•プリンシプル社の社長が朝礼で詳細に全社員に語られているとか。社員に広がればその先にいる(営業対象でもある)医師や看護師やコメディカルにも広がる。ひょっとしたら患者にも広がるかもしれない。

なるほど、医師の「ありがとう」は皆で作っているのだな。

文章を書くことは孤独な作業と言われる。原稿用紙かパソコンに向かい合って黙々と、あるいはブツブツと言いながら書く。グループで演奏し歌う音楽や、演技をぶつけあって生まれる舞台や映画などの集団芸術活動とは違うと。

いやいや、文もまた皆の共同作業である

まず編集者はライターへの叱咤激励のムチを手に、ダメ出しのタオルを肩にかけている。書かれた医師はどう読まれるか期待と不安を持つ。読者に文を届けて「読んでください」と勧める人がいる。読者は読み飛ばすか精読するか選択肢を持っている。この医師に連絡してみようと手紙を書く人が現れる。皆がライターに文章を書かせ、皆で読み合っている。立派な共同作業じゃないでしょうか。

ありがとうがこだまする。こちらこそありがとうと言いたい。

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