ロールケーキの来し方行く末

来し方行く末」は良い言葉だ。未来と過去ばかり飛ばずに、現在という断面を食べなさいと気づかせてくれた。

先日の医師インタビューで出て来た言葉である。浅学の身ゆえ聞いたことはあれどちゃんと語れない。調べるとこれがおもしろい。例文を挙げよう。

「万(よろづ)のこと、きしかたゆくすゑ思ひ続け給(たま)ふに、悲しきこと、いとさまざまなり」(『源氏物語』須磨)

訳は「これまでのことやこれからのことを思い続けなさると、悲しさがさまざまである」。もう一つ挙げよう。

「眠られぬ儘に来し方行く末を思い回(めぐ)らせば回らすほど」(二葉亭四迷『浮雲』)

「眠れずあれこれ考えて尚眠れず」という感じだろう。他にも平家物語や竹取物語などに出てくる由緒ある言葉である。実は読み方が二通りあり「こしかたー」と読むと場所がいろいろ、「きしかたー」と読むと時間がいろいろという。簡単にまとめれば「過去=来し方」「未来=行く末」である。どちらにも悩みはあるだろう。

その医師は自分の来し方を悩み、行く末を悩んでいた。悩み過ぎて心がおかしくなった。引きこもりになった。数年の悩みから解放されるには、そこにある食べ物があった。それで救われて医師になったのだ。詳しくはクライマックスなので書けん(^^)雑誌の印刷後、またはネット公開後に読まれよ。

実はぼくも、過去と未来のことで悩んでいる。

悩み過ぎてニッチもサッチもゆかない。どっちにも安住が見えない。自棄にもなったが叫んでももちろん好転しない。そんな今日の午後、実に美味いものを食べた。ロールケーキ…もどきである(笑)

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料理研究家cherryさんが試作した抹茶ロールケーキ、巻きを失敗したお裾分けである(ちなみに彼女は何百本と巻いた経験ある)。だが形なんかいい。これゲキウマである。半分残そうと思っていたら、気づくと全部食べていた。

それで見えた。人生はぐるぐる回るロールケーキなのだ。どんなに悩んで回っても、巻けずに折れてしまっても、美味しければいい。その実感が一番大切だのだと。

過去(来し方)を憂いていたが、それは苦いばかりじゃなかった。ある瞬間には心が通じ合ってとても幸せだった。それで十分じゃないか。未来=行く末は行く末で運命が待つ。考えてもしゃーない。それより今できることをやろう。結果を求めるのではなく、気持ちよくいられるように。

ロールケーキの断面=すなわち現在が美しいければいいのだcherryさん(笑)

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