連れ連れ草

良い書店の選書サービスも、影響を受けた本も、つれづれなるままに…。

河野史明さんのFacebookのアップデートで『1万円選書という1万円分のおすすめの本を送るサービス!』を知った。これがいい。北海道砂川市の小さな書店『いわた書店』の店主は、生来の読書家である。その強みを読者の知的好奇心に結びつけた。あらかじめアンケートをして好みを訊ねておく。市民であれば直接話しもする。お客さんは1万円を払う。そして店主の岩田徹さんが選書をして一人一人に本を送る。

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テレビに出たら全国から“注文”がファックスや電子メールでたくさん来た。お酒だって料理だって「何がお奨め?」って訊くし、洋服だってパソコンだって訊く。だが本は店では訊かないで、Amazonのレビューで決めたり、立ち読みして自分で決める。ホントはみんなお奨めされたいのだ。

ぼくも選書したい!そこそこ読書はしてきたけれど、人間が変だし、読書も偏向しているからムリっぽい(笑)。でも古典は割と読む。段ボール本棚の隅に『徒然草』ありけり。徒然なるままに53段を開くと『足鼎(あしがなえ=三本足の釜)』がある。

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仁和寺の法師が酒宴の余興で、鼎をかぶる。踊って一同を笑わせたのはいいけれど、鼎が取れなくなった。叩いてもゴーンと鳴るだけで割れない。引っ張っると首から血が出て腫れた。さあどうしよう。医者に行ってもダメ、親は嘆く。結局「どうせ死ぬなら取ってしまえ!」で引っ張って取れたが、鼻も耳の削げちまった。

徒然草のこの話、実は今日ある医師にインタビューして「お奨めされた」ものだ。人間的にも医師の腕前でも、経営者としても、優れるこの方の人生の転機にはこの話があった。医師になるきっかけもここに垣間見える。

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これは読まなくてはと、引越でずいぶんと本を捨てたが、徒然草を引っ張り出した。医師の奨めで徒然なるままに、いや連れ連れされて読んだ。読んで人生を変えた人から奨めてもらうーそれは読書の醍醐味でもある。

今、町の本屋は1日1店の割合で閉店している。おじいちゃんとおばあちゃんでやってる近所の本屋もいずれだろうか。「大きな本屋がある」「Amazonがある」「本はダウンロードでしょ」確かにそうだけど、人生をつくるもの、それは本である。本で人は自分を探し、迷い、正し、歩き出す。本と人は一体である。

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