エスクの尊さ。

年に一度は中小企業診断士更新研修。これから何かと忙しくなるので、昨日思い立って研修日程を調べると、今日が最短。前日申し込みの離れ業で受講した(^^)。

更新研修は、中小企業白書読解という魔の時間と、事例演習とその発表の二本立て。事例はエスクという「乳児•幼児の子育てネットワークを運営する団体」について。これが実に興味深い。

essc
おんとし75才になる名木純子さんが、約40年前に開始した保育サービスの草分け的事業である。

子供を預けたい働くママと、子育てを終えたけど子供が好きな人を両方登録してもらう。面接とマッチングを経て援助(子守り)を受けたい人と、援助したい人を結びつける。

預ける人の家での保育」(つまりベビーシッティング)と、「預かる人の家での保育」の両建てが特徴。施設も不要、専門の保育士も不要、ボランティア精神でコストを抑える。集団保育をイヤがる子供もだいじょうぶ。

かつてまだ働くママが少ない時代で保育所も少なかった時代には、今の10倍の売上高があった。近年は公的サービスも充実して赤字モヨウ。それをなんとかせよというのが演習である。

3グループに分かれての討議発表では、我がグループの発表が一番よかった。現サービスを強化する提案と、新事業提案(高齢者の出会い支援/茶飲み友だち派遣サービスに拡張する)がそろっていた。

問題は現実に赤字であることだ。しかも代表者の家も借入金の抵当に入っている。今事業を閉じると住む家を取られてしまう。40年も良いことをしてきた末路がそれじゃあ…可哀想すぎる。

だがぼくは知っている。この手の紹介ビジネスはなかなか儲からない。手間がかかる上にマージンが少ないこともあるけれど、もっと根幹の問題がある。

善意はビジネスにのりにくい。善意はニーズがあるからやるわけじゃない。心がやさしいからやる。善意は利益をとるものじゃない。むしろ差し上げるものだ。

現に名木さんはコンサルタントから「ターゲットをしぼりなさい」と言われてこう言った。

「そんなことしたくない。いろんな人にそれぞれのサービスを届けたいの」

効率も利益とか関係ない。良い時代もあったけど、自宅まで差し出して40年も続けるのはどんな山より高い。どんな聖地より尊い。教科書でマーケティングを学んだ人に何の助言ができるものか。これが今回の診断士更新研修のぼくの感想である。

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