お金の話

中小企業診断士には更新研修がある。資格の維持のため、毎年実践クォリティシステムズの研修を受けてきたが、代表の左近祥夫講師は初めて。1948年生まれ、バリバリのベビーブーマー、どんな話なのか。のっけからナマ臭いエピソードを披露された。

昨夜も更新研修の講師をしていました。すると講義中に電話がかかってきたんです。コンサル先の社長からでした。在庫が合わないって。「そんなことで研修中に」と言うと社長、怒りましてね。仕方なく十時に研修を終えてから向かったんです。

コンサルの仕事はたいへんだ。顧客は中国に製造拠点のある中小企業で、在庫と運送費の計上が合わない。1億5000万円の“横流し”、つまり着服が見つかった。でも夜中に呼び出すのか…。すると左近さんは「皆さん、経営って何だと思いますか?」と問いかけた。

経営とはね、お金を払うことなんです。

サラリーマンはお金をもらう。だが経営者は払う。単純だが重い事実である。だから真夜中も何も関係ない。左近さんは自分の起業話もした。中小企業で働いた後、測定器でビジネスを立ち上げる。だが起業の話を妻にすると黙って離婚届を出された。それでもついてきてくれたが、結局うまくゆかなかった。でもね、と彼は言う。

300万でも生きてゆけるんですよ。そんなにムリしなくてもいいじゃないですか。

彼の独立一年目の収入は数万円だったそうだ。ぼくの独立一年目はもっと多かったが、それは自分の力ではない。元の会社からの紹介、身を寄せた先の好意であった。自分の力の収入は小さかった。今も決して大きくないけど、ホントにボトムがあって、その時左近さんと同じことを思った。

起業なんて肩に力を入れなくていい。そんな柄じゃない。自分の道を歩かせて頂けるのはありがたい。そう思いだすと仕事が増えてきた。

研修では事例テーマの解決策をつくった。800万円の赤字のベーカリーの黒字化をどうするか。店舗コンセプト、味、販売促進、コスト削減…色々やることはあるが、結局、2ステップしかない。

1、コストの削減
2、売上の増大

この順序である。コストは小さな削減(電気代、消耗品代、家賃など)から始める。でも800万には足りない。やはり人件費、人を切らなければならない。「できなくて高い人」からだが、それは逆に「誰を残すべきか」という問いでもある。

その店のことを一番思っている人。その人を改革リーダーにすることです。

左近さんの結論は熱心なアルバイト主婦を店長にだったが、正解だろう。その店が好きで、やる気のある人からしか売上増大策は出てこない。払ってもらう意識の人からお金は生まれない。

以前やったコンサル稼業で、キツかった赤字案件を思い出した。足下の経済をうとんじがちな自分に冷や汗をかかせた。今年の中小企業診断士更新研修は侮れない体験だった。

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