大学はユニバースと実社会の定期券

 

ハーバード大学の図書館、夜中の2時」と説明が付く画像が回っていた。嘘画像ともささやかれるが、ぼくはほんとうだと思う。

海外駐在もどきで10数年前、南カリフォルニアに1年半ほど遊んだとき、州立Irvine大学のイクステンション講座に2、3度通学した。勉強や調べもので図書館によく行った。美しく広大なキャンパスに学部ごとに点在する図書館には、蔵書の量と質にも舌を巻いたが、どこも夜中まで開いていた。しかも机でコリコリする学生、通路にあぐらをかいて読み耽る学生がいっぱいいた。有名なUCLAの図書館も同じだった。

ひるがえってぼくが日本で通った2流いや3流大学の図書館は「閉架式」だった。昼も夜も誰もいなかった。勉強するヤツが珍しいくらいだった。もっと勉強すればよかったのだが、補欠で受かった1流半の大学は寄付金を要請されて、結局2流半に行った。そこもそれなりにおもしろかったが「空気はほわん」としていた。

一方社会人になってから訪れた東大本郷、慶応日吉、京大、一ツ橋大学…など一流大学のキャンバスの「空気は凛」としていた。歩くだけで学究の気配を感じた。学校のせいにはしたくない。自分が不甲斐ないのだ。だが自分の大学に胸を張れないのは情けなく思う。

田中真紀子文部科学相が、来春開設予定の3大学を不認可にした。これまでパフォーマンスで人気を保ってきた大臣なんだが、今回はぼくはその思いがわかる。

志願者全入時代にまだ大学をつくるの?それが国益なの?専門学校、美大、短大が悪いわけじゃない。でも大学って何?と思ってしまう。

理想を言おう。大学はユニバース(宇宙)であるべし。

宇宙とはなんぞや。それは広汎で、際限がなく、ブラックホールもあり、いん石も飛んでいる。ユニバースには悩みを告白できる森があり、うろつける小径があり、師と仰げる先生が棲んでいる。変人すなわちエイリアンも多くて、エネルギーがぶつかりあい何かが生まれる。“自分ビッグバン”を起こせる場所なのだ。

実学重視か学究重視か。前者なら専門学校でいい。むしろ海外で働けるように英語授業オンリーにすればいい。後者では就職もできず、就職しても3年で辞める人ばかりと言われる。だが今どき学究に徹底した大学は少ないので、心配には及ばない。

神社日本画作家の瑠璃白さんが社会人学生になり、喜々として勉学している。ベトナム人留学生が就職に苦労している。彼らを見て思い当たることがある。実学と学問のブリッジがないのだ。実社会につながり、深遠なる学究にもつながるカリキュラムがないのだ。

実社会とユニバースを行ったり来たりできる武器をつくるーそれがありたい大学なのである。田中大臣、よっしゃよっしゃとよろしく頼む。


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