高齢化社会ならフツーのお話。

世にも奇妙な身近な物語がcherryさんの家を舞台にして起きた。ある朝、彼女は仕事場に来て言うのだ。

「とってもヘンなことがあったんです」
「なに?」
「前にウチの隣にイヤな家があるって言ったじゃないですか」
「君んちの野菜の庭が日陰になるようにでっかい物置を建てた家ね」
「そう。ちっちゃな子供がいて、親が夜の仕事なのかとっても夜更かしで、11時か12時にご飯食べるの。変な家」
「それで?」
「その家のことじゃないの。そっちと反対の隣の家なんだけど、朝7時半にピンポン♪とチャイムが鳴って…」

玄関にオバアちゃんが立っていた。手にはスーパーのショッピングバッグをさげている。“隣の◯◯ですけれど…”と言った。cherryさんは隣家にこんな年寄りがいたのかと思った。もっと若い女性と、年とった男の老人はいたはずだが。

「出戻りかもしれん」とぼくは腕をくんだ。
「そうね」

オバアちゃんは、手にしたバッグをcherryさんに渡してこう言った。“これをお隣の△△さんの子供に渡してもらえないかね”。cherryさんはキツネにつままれた。隣はすぐソバだし、ここまで来れるから歩けないわけない。なんとなく受け取ってしまうと、オバアちゃんは消えるように去った。

「中身は何だった?」
「それが…見てないの」

恐くて冷蔵庫に入れて仕事場に来た。そこでぼくは意見を陳述した。

「第一に毒殺説が考えられる。中身はトリカブトだ。そのバッグを△△家に運んだ君は殺人幇助罪に問われる」
「まさか」
「オバアちゃんは指紋をつけないように白い手袋をしていなかったかね?フム、第二に遺産相続説が考えられる。実は遺産ザクザクで、出戻り娘と思われた女性は死んだ息子の嫁なのだ。嫁にはビタ一文渡したくない。だが隣に君がいた。洗濯物を干したとき、おばあちゃん良いお天気ですね〜長生きしてね〜なんて声を掛けたことがあるだろう?」

cherryさんは首を振った。

「では仲直り誘導説はどうだろう。君と△△家は冷戦状態だ。勘づいたオバアちゃんが、贈り物を渡しなさいと言う。仲直りが冥途の置き土産ってやつさ」
「まさかあ」
「まあ…やっぱボケだろうなあ」
「ボケかしら…」
「ボケだ。人間年とると良いことをしたくなるものさ。だけどボケちゃうとそれが奇行になるんだ」
「ふう〜ん」
「ともかく君は家に帰ってそのバッグを持ってオバアちゃん家にゆきなさい。すると嫁らしき人が出てくるから、相談してみなさい」

と、翌日ー

「で、どうなった?」
「それが…昨夜オバアちゃんの家にピンポンしたら…」
「したら?」
「あのオバアちゃんが出て来たの。しかも家の中には別の人たちの声も聞こえたの」
「おお。するとぼくの第5の推理は外れた」
「何?」
「君がボケてて、オバアちゃんと女性をとっちがえたかと」
「バカにしないで。でもねオバアちゃんに“まだ△△家は帰宅されてないので…”と言うと、バッグを受け取って“どうもご親切にありがとう”って言うの」
「ええっ…?」
「キツネでしょう」
「まさにキツネだ…」

ところでそのバッグには何が入っていたか?cherryさんはオバアちゃんの家に行く前にそっと中を見た。2種類の食べ物が入っていた。ひとつはタッパーに入った笹かまぼこ。個装のかまぼこがぎっしりと。もうひとつは…

忘れちまった(笑)。2度も3度も聞いた話なのに、もうひとつがどうしても思い出せないのだ。どうもすみません、筆者がボケまして…

明日は敬老の日。ボケをいたわりましょう(^^)

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

WordPress.com Blog.

ページ先頭へ ↑

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。