あっちを向く。

今朝は野沢温泉かわもとや旅館で早起きして、誠の編集部からの注文が入った原稿修正をした。旅館で原稿なんて文豪ミニですねえ。ささっと終えて朝湯に入った。へっ。我ながらぜいたくっ。

cherryさんとhütteへゆっくりとゆく。ひゅっては野沢温泉に半ばオープンしているカフェ&ギャラリー。そこでのなんやらが旅の目的だけど、行き違いもあって時間が余っちまった。まあいいか。ぼくはまたそこで別の文章作業。cherryさんはゆったりとkoboで青空文庫しだした。

外を見ると、帰り支度の家族たちがバタンバタンと車で去ってゆく。剣道着姿の学生だちが三々五々と合宿練習場に歩いてゆく。縁台ではトンボが死んでいた。夏は確実に背中を押されている。

野沢温泉にホテルや旅館を投資する会社の社長のJasonさんから電話。月末もあって予定したミーティングが流れちまった。それを申し訳ない、飯山でもご案内しましょうと言うのでありがたく車で。

着いたのは北飯山駅。この佇まいには鉄分が少ないぼくも痺れちまった。夏草よ鉄人たちの夢アングル、って感じ。駅舎内に旅の思い出帳あり。のんびりしました〜、ほっとしました〜と旅びとが寄せていた。駅舎も綺麗だしトイレも綺麗だし、電車いやディーゼル車が一時間に一本てのがいいねえ。


飯山線路際に猫やってくる。にゃんにゃん寄ってきやがってゴロゴロ言ったよぼくは。

隣の飯山駅に寄る。こちらはシビライズドされていて痺れる風情はない。再来年の新幹線開業で殺風景なコンクリ駅舎も建築中だ。利便は格段に高まるが、果たしてこの静かな町が都心からのディスティネーションになるだろうか?

クソ暑いのでcherryさんと駅脇の観光案内所に入る。そこで思いがけない話を聞いた。「3.12」の栄村震災の日、道祖神の地蔵6体が、被害のあった村の方を向いたという。まるで村人を助けるかのように。

その実話に驚愕していると、cherryさんは「地震だからそんなこともあるんじゃない」と冷たいコメント。おい自然への畏れが足りんぞ。

地蔵だけじゃない。3.11以降、ぼくもだんだん「あっち」を向くようになった。あっちとは「本音の自分」である。「自分ぽい仕事」「自分ぽい文」「自分というスケベ(笑)」。

好きなものに正直になる。好きなことをする。その中で労苦を重ねたい。以前はちがった。ひたすら労苦を重ねて、その中でまるで砂金を探すように、好きなことを探せと言われた。ぼくだけじゃない。今の社会人のありさま。だからつらくなる。

あっちを向けばいいのだ。

田舎も「あっち」だ。田舎暮らしに惹かれるのは、加齢効果もあるだろうけど、自分のあっちがどこだかわかってきて、そっちを向いた方がいいとわかってきたから。あっちに向かってゆっくり。

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