この女の色に惹かれた。言葉が出ないほどに。
リップとネイルのあでやかなカラー、みずみずしい唇と爪のカラーと肌の調和。息をのむ美しさだ。
we(MAC) created 3-piece mini-collections of Lipstick, Lipglass, and Nail Lacquer trios in 7 classic palettes. Perfectly coordinated, regionally inspired.
引用元=MAC HP「MAC(化粧品会社)はリップスティック、グロス、ネイルラッカーで7つのパレットのミニコレクションを生み出しました。地域にインスピレーションを得た完全な調和があります」
Impassioned(感動的で), Ravishing(魅惑的な), Saint Germain(サンジェルマン)のリップシェイドはソウルから東京、上海までの女性を揺さぶる色。さらに「Perfectly coordinated, regionally inspired」という言葉に揺さぶられた。「都市の色」がテーマの商品なのだ。
『ファッション セッツ』として発売された3タイプの化粧品の7つのシリーズには、Rebel in New York(ニューヨークの反逆者), Russian Red in Dubai(ドバイのロシア紅), Snob in Sao Paulo(サンパウロのスノッブ)など都市のイメージカラーとそこで活躍する女性を重ねあわせた。這い上がれるかどうか勝負に満ちたビビッドなNYの色。明日も陽はのぼるさとカラリと青いLAの色。物憂げな石だたみの上をカツーンコツーンとヒールが響くパリの色。それぞれで生きる女の色がある。女と都市を色で重ねる発想がすごい。
東京は『サンジェルマン エンジェル』という色で表現だが、モデルは日本人か韓国人だろう。ソウル美人にも似合う色だから。5月1日から限定発売されたこの商品、もうほとんど品切れである。日本の公式サイトはこちら。
この美しさに圧倒されて思うこと。まず人面には穴がたくさんある。穴の中でも口ほど男が愛する穴はほかにない。
その穴のフチをどんな色で飾るのか、男は常にわくわくしている。というのもアイシャドーに関しては、どうやら男はあきらめているからだ。その部位の女の好みと男の好みには埋め難いギャップがある。男がどうこう言えない境界線がある。
だが男は唇にはあきらめがつかない。女が自分の好きな口紅を付けると男はうれしい。なぜなら唇をかさねてはぎとりたいからだ。たとえそうできなくても、唇の色が次第にフェイドアウトするのを眺めるだけでもいい。
男はネイルの色やデザインにも口が出せない。手元のみずみずしさに憧れるのだが、その表現となると「良い色だね」くらいしか言えない。ほんとうはその硬い爪と反対側の柔らかい指肌にたっぷり美を感じていて、指をツルツルしてみたいのだが…。
どうやら男の心の中にはカラーパレットがない。
だから女の色の配合や明度やコトラストを、上手く褒める言葉が出ない。本能ではわかっているのだが、言えない。自分も含めた男たちよ、カラーパレットを心に持とう。女性はつま先からアタマのてっぺんまでパレットのような存在なのだから。