夕方tomoyoさんがギャラリーにやってきた。手にはなんとモチモチなお土産。ベーグルです。

「tomoyoさんのベーグル」です。なんと3つも頂いた。そのうちひとつ、シナモンレーズンを半分に切って、ギャラリーのオーブンで温めて、cherryさんと3人で頂きました。
しっとりモチモチ。美味しいって幸せ。ほんとにありがとう!
これはメイドイン白金高輪、マルイチベーグル産。ベーグルマニア御用達のお店と言っても、ぼくは今日それを知りましたけど。元々は代々木にあったマルイチさん、白金高輪に引っ越してきたそうだ。
「場所柄ガイジンさんがお客ですかねえ」なんて話していたら、思い出したのが「スタンのベーグル」。十数年前ぼくが遊駐米してたとき、英語教師&世話役してもらったフィンランド系のアブソリュートなワッカ・アル中おじさん。彼はよくお腹をポンポンとたたきながら、「昼は軽めにしてるんだ」と言って、よくベーグルを買っていた。夕方には油こいバッファローウィングでアブソリュートを呑むから、昼だけ軽めにしてもねえ…。
ともかくスタン御用達のベーグルに一度ご相伴にあずかろうと思って、彼に付いていった。ランチタイム、スタスタ歩いて近所のベーグルデリへ。スタンよ、ベーグルにポテトチップを買うのは余計だぜ。なんてつぶやきつつ、ぼくもベーグルに何か挟んでもらったけど、中身は忘れた。とにかく…
カタイ!パサパサ!ナニが美味しいの?このパン…でした。
それ以来ベーグルには近づかないようにしていた。有名なニューヨークのベーグルもきっとそんなのかしらと思い続けた。
余談ですが、青や赤や黄色でデコレーションされたアメリカの“砂糖より甘い”ケーキ、あれを食べる国民ですから。アメリカ人は唾液が多いから乾燥したパンがちょうどいいらしいのよ、なんて3人で話した。
ぼくのベーグル嫌いをぬぐい去ったのが「cherryさんのベーグル」だった。彼女が焼くベーグルは旨い。モチモチでしっとりで、ナッツとか入れたのがまた香ばしかった。そのおかげでぼくのベーグルイメージは、十数年後に変わったのでした。
ぼくはベーグルの美味しさには秘密があると感じた。
まず美味しいベーグルをつくるには、cherryさんいわく「力がいる」のだ。水分が少なくてモチモチするベーグルづくりには、腕力がいる。力をこめるから美味しくなる。
もうひとつある。ぼくらは仲良くひとつのベーグルを三等分して食べた。いやぼくとcherryさんが食べた方が、tomoyoさんより少し多かったと思う。それなのに…

tomoyoさんはぼくの目を盗んで、(ひとつ減ったからと)自分の分のベーグルをひとつ、ぼくの袋に詰めてくれていた。家に帰って袋を開けるといつの間にか元の3つに増えていたのです。ベーグルの美味しさの秘密はやさしさなのですね。そのやさしさは丸い形に表れる。きっとマルイチという名前も、ダテではないのだろうな。
